追記(2020/04/21)
下記の手順ではUniFi Controllerでプロビジョニングを設定すると多くの設定が消えます。
UniFi Controllerと共存を目指す場合は 次のポスト も参照してください。
追記ここまで
自宅には信用できない経路を使わざる負えない時用にVPNを張れるようにしています。 今まではUniFi Security Gatewayが持っているVPN機能(L2TP over IPSec)を使っていたのですが、これを WireGuard も使えるようにしました。
前提
使ってるハードウェア
- UniFi Security Gateway
- UniFi nanoHD
- UniFi Switch 8 60W
やりたいこと
- 全てのトラフィックを VPN経由にする
- 内部ネットワークと通信できる
- Guestネットワークとは通信できない
仕様
- クライアントのレンジは
192.168.12.0/24
- 通信するポートは 51820
インストール
EdgeRoute向けのパッケージをビルドしてくれている人がいるのでそれをありがたく使います。 github.com/Lochnair/vyatta-wireguard
最新版をUniFi Security Gateay(以下USG)まで持っていってインストールします。
usg$ sudo dpkg -i wireguard-ugw3-0.0.20191219-2.deb
設定
秘密鍵と公開鍵の生成
usg$ wg genkey | tee /config/auth/wg.key | wg pubkey > /config/auth/wg.public
インターフェースの設定
WireGuardのPeer(クライアント)は 192.168.12.0/24
のレンジを使うことにします。
usg$ configure
usg$ set interfaces wireguard wg0 address 192.168.12.1/24
usg$ set interfaces wireguard wg0 listen-port 51820
usg$ set interfaces wireguard wg0 route-allowed-ips true
usg$ set interfaces wireguard wg0 private-key /config/auth/wg.key
Peer(クライアント)の設定
ここではまずクライアント側で秘密鍵と公開鍵を生成してそれを設定します。
usg$ set interfaces wireguard wg0 peer bwqE81/MNgb/D6klMd+AFGGB3FXBVRv1RC+p8JTk6wE= endpoint [your vpn host or ip]:51820
usg$ set interfaces wireguard wg0 peer bwqE81/MNgb/D6klMd+AFGGB3FXBVRv1RC+p8JTk6wE= allowed-ips 1921.168.12.2/32
firewallの設定
USGの外からUDP/5120に届いたパケットを許可する。
usg$ set firewall name WAN_LOCAL rule 20 action accept
usg$ set firewall name WAN_LOCAL rule 20 protocol udp
usg$ set firewall name WAN_LOCAL rule 20 description 'WireGuard'
usg$ set firewall name WAN_LOCAL rule 20 destination port 51820
SNATする。インターネットに出れるようにするために必要です。
usg$ set firewall group network-group wireguard_network description "Remote WireGuard (VPN) subnets"
usg$ set firewall group network-group wireguard_network network 192.168.12.0/24
usg$ set service nat rule 5001 description "MASQ wireguard_network to WAN"
usg$ set service nat rule 5001 log disable
usg$ set service nat rule 5001 outbound-interface eth0
usg$ set service nat rule 5001 protocol all
usg$ set service nat rule 5001 source group network-group wireguard_network
usg$ set service nat rule 5001 type masquerade
Guestネットワークと通信できないようにする。
usg$ set firewall name GUEST_IN rule 20 description "drop packet to wireguard network"
usg$ set firewall name GUEST_IN rule 20 action drop
usg$ set firewall name GUEST_IN rule 20 destination group network-group wireguard_network
保存
usg$ commit
usg$ save
usg$ exit
クライアント側の設定
macOS
Mac App Store の WireGuardクライアント を入れます。
新しいTunnelを追加して以下を書いてSaveします。
この時、サーバーのPublicKeyが必要になるのでUSGから手に入れておきます。 usg$ cat /config/auth/wg.public
[Interface]
PrivateKey = <Generated private key>
Address = 192.168.12.2/32
DNS = 192.168.12.1
[Peer]
PublicKey = <Server's Public key>
AllowedIPs = 0.0.0.0/0
Endpoint = [your vpn host or ip]:51820
AllowedIPs
を 0.0.0.0/0
とすることで全てのトラフィックがVPNに流れます。
モバイル
iOS、Androidともに公式のストアからWireGuardのアプリをインストールすることが出来ます。
モバイルでも上記のような設定をすることにはなるのですが、これを手書きするのは大変なので代替手段が用意されています。 もちろん手書きでも設定はできるので最初の疎通テストなどは手書きで頑張ってもいいでしょう。実際頑張りました。
手書きをする場合は双方のPublic Keyを交換する必要があるので何らかの手段で交換してください。 自分はDropboxにテキストファイルを置いて交換しました。
他のデバイスではこの方法は面倒なのでQRコードを使って設定します。
usg$ wg genkey | tee peer-privatekey | wg pubkey > peer-publickey
peer-publickey
を使って Peer の設定をUSG側で行います。
Private KeyとPublic Keyを適当なマシンに持ってきて設定ファイルを書きます。
$ sudo apt install -y qrencode
$ qrencode -t ansiutf8 < peer.conf
で表示されたQRコードをクライアントアプリで読み取れば設定が完了します。
最後に
これで快適なVPN生活になることを期待しています。
今はFree WiFiを使う機会がないのでVPNも不要なのですが。